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懐中時計の部品の名称 操作上の注意
商品説明の際に使っている懐中時計の各部品について、簡単にまとめさせて頂きました。
(なお、ここでの表記・名称が唯一正しい物ではなく、語源や言語の都合上別の呼び方をすることがあるのでご注意下さい。)
加えて、各部品における操作上の注意なども記載させて頂きました。
操作方法に関しましても、様々コレクターや店ごとに意見があると思います。
一参考意見としてお聞き頂ければ幸いです。
【竜頭 ステム】
主に時刻設定、ゼンマイ巻きをする際に使用することが多い部分です。
ゼンマイの巻上げ、時間合わせ(竜頭引き回し・ステムセットと呼びます)、
ハンターケース仕様の品では竜頭部分を押すことでケースが開きます。
回したり押したり、引いたりと直接動かす部分で、磨耗が早く故障しがちな部分です。
注意事項)
・ゼンマイの巻き上げの際、最後まで巻き切った状態で再び力を強く加えると、
竜頭、ゼンマイ、機械の故障に繋がります。
最後まで巻き切らないことをお薦めしています。
竜頭周りが固い場合は、注油、清掃、オーバーホールをお薦めします。
割合固くとも全く問題ない時計もあります。個体差があります。
・時刻合わせの際、引きすぎると竜頭が抜けたり、故障に繋がります。
竜頭周りが固い場合は、注油、清掃、オーバーホールをお薦めします。
割合固くとも全く問題ない時計もあります。個体差があります。
※操作方法に不安を感じる方は、こちらの動作方法動画のページをぜひ御覧ください。
【ボウ】
チェーンや紐をかける環状の部品です。
丸型の品が多く、装飾が施された物や変わった形の物もあります。
剥げや傷つき易い部分ではありますが、アンティーク感が漂う大事な部分です。
注意事項)
時計が鞄やポケットに引っかかった状態でチェーンや紐を引っ張ると、
ボウに無理な力が加わり形状の変化や破損に繋がります。
【ペンダント】
竜頭やボウをまとめた部分の名称です。
竜頭を引っ張り時刻合わせをする方法を”ペンダントセット”と言います。
【リップ】
風防面やケースを開ける際、オープナーや爪を差し込む張り出し部分です。
注意事項)
オープナーを差し込んで開く際、文字盤の破損、指を傷つけないよう注意下さい。
固さに個体差があり、開けにくい場合もあります。
爪を使って開けるのは基本的にお薦めしていません。
【ヒンジ】
ケースの表裏面、インナーケースを繋ぐ大事な部分です。
この部分の支える力が無いと、ケースが勝手に閉じたり、
ヒンジ部分で折れたりというアクシデントに繋がります。
【レバー】
レバーセットと呼ばれる時刻合わせの際、
ベゼルを開けてレバーを引き出した状態で竜頭を回すとすことで時刻合わせが可能です。
誤作動の可能性が少なく、業務用である鉄道時計に用いられている仕様です。
注意事項)
レバーを出し過ぎて壊すという事はなかなか無いですが、
レバーを中途半端な状態で竜頭を回したりケースを閉じて各部が故障したという事はあります。
レバーをしっかり出す、しっかり戻すという事に気をつけてください。
レバーセット形式の時計であるのに、竜頭を引っ張り時刻合わせをしようとして故障に繋がる事もあります。ご注意ください。
【蓋(ハンターケースの場合)】
ハンターケース仕様の時計の場合、竜頭を押してパカっと開けるのがカッコいいかもしれません。
ただ以下の点にお気をつけ下さい。
注意事項)
・ハンターケースの風防面を開ける際、竜頭を押すのですが、
風防面に左手を添えて、竜頭を押しゆっくり開くことをお薦めします。
・ハンターケースの風防面を閉じる際、竜頭を押した状態で風防面をゆっくり戻し、
風防面が元の位置になったら竜頭押しをやめてください。
【風防(ベゼル)】
風防には一般的にガラスが使用されていますが、稀にプラスチック製の物もございます。
経年による接着剤の劣化、衝撃により外れる事は多々あります。
ガラスの外れ、破損は修理できる場合が多いです。ご相談ください。
〜代表的な傷の名称、表記について〜
【ヘアーライン】
アンティーク時計の文字盤の多くはポーセリン(陶器)で作られています。
その文字盤の傷で代表的な物がヘアーラインと呼ばれる線状の傷です。
傷と言っても、指先では傷を感じないものや線が青色に変色したものものあります。
弊社でもできる限りヘアーラインの有無はお伝えしております。
風防を付けた状態や日常使いでは見えない物もあります。
【チップ】
アンティーク時計の文字盤の多くはポーセリン(陶器)で作られています。
その文字盤の傷で代表的な物がチップと呼ばれる欠けです。
文字盤の縁やレバーのある麓によく見られます。
チップの修復、修繕は受け付けておりません。
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